かつては世界を治めていた世界最大の都市・キングダムと、周辺諸国によるアルゾート連合軍の戦争は、日々、激化を極めていた。キングダムが治めていた頃の安定は影も形もなく、どこに行っても血と炎の臭さだけが渦巻く世界へと変貌していた。 全ては古の咎人・フィオレの成した悪業とされていた。 まだキングダムが世界の全てを束ねていた頃は「キングダムナイツ」と呼ばれていたルーツェルト学院は、キングダムが連合軍に対抗するための兵士育成を行う唯一の学院である。キングダムを護る、その意志に突き動かされた若者が集い、いつ死ぬかも分からない戦場を夢見る場所。一度足を踏み入れた暁には戦場での死が決まる、とさえ言われ、それを誇りに思う人間で溢れていた。 学院生でありながらその優秀さから実戦投入の話すら出ている青年・ナルガもまた、それを信じて疑っていなかった。だが幾度となく戦いを経験するうちに、ナルガの心は変わっていく。 そんなナルガに救いの手を差し伸べたのは、遠く竜世界の住人だった。 初投稿作品です。 文章表現が拙いですが、どうか最後までお付き合いお願いします。